批評:ダーク・シャドウ
ということで、はい。
ダーク・シャドウを見ました。
ティム・バートン監督とジョニー・デップのいつものコンビですね。
俺は個人的にティム・バートンの作品は、そんなには見ていない、てかナイトメアビフォアクリスマスとアリスインワンダーランドと、あとなんか、うんそんだけしか見てないんだけど。
まぁ、ぶっちゃけそこまで好きな映画ではない。んですよ。
はい。ダーク・シャドウ。
まず主人公のジョニーデップ扮するバーナバス・コリンズの過去の設定とか独白から始まります。
で、それが終わると、ンマー定番。
舞台となるコリンズ家に、家庭教師のバイトのために、ヴィクトリア・ウィンターズという名の女性がね。くるわけですよ。役者はベラ・ヒースコート。
で、まー、
最初ジョニーデップが封印されてんだけど復活しまして、(ジョニーを昔愛した魔女が自分の愛が報われないってんでヴァンパイアの呪いをかけて封印しちゃうのね。この魔女は今も生きていて、敵キャラ)
で元々彼はコリンズの人間なんでやはりジョニーもコリンズ家に戻ってくると。
で、役者と舞台が一通り揃って物語がここでようやく始まったよ。
まー、ここまできて
俺も何回か予告編とか見てたから、
この後廃れていたコリンズ家の稼業を復興しようとジョニーが奮闘?するんだけども、
まぁ、奮闘して最終的には家が元に戻るなり目標を改めて見つけるなりこれから頑張ろうって心持ちにコリンズ家の面々がなるなり、
とにかく!何かしらのゴールがあって、んで家族は大事!(みたいなコンセプトも予告編にあったような気がする)な、感じのストーリーになってくのかな。と。
あぁ、なるほど、これは典型的なドラえもんタイプの展開だ!って納得してた。わけですよ。
だよね?ドラえもんが未来から野比家にきて何かと色々問題が起きたりするけど最後はのび太もドラも成長したりしていい感じにおしまい。みたいな。
とりあえずここまではダーク・シャドウも全く展開同じやんね。ね。
と思っていたら大違い。
いや、むしろ全然違う。
話だいぶ吹っ飛ぶけど、
いやオチ言っちゃうけど、最後アレだからね。
コリンズ家まるごとごうごう燃え盛ってむしろ今まで以上に生き苦しくなるかんね。
それで話終わっちゃうかんね。
しかも前半あれだけジョニーが言いまくってた、家族は大事論。
はい。ラストシーン。ジョニーはそんな燃え盛るコリンズ家ほっぽり出して、彼は彼で好きな女とちゃっかりいい感じにチューしておしまいだかんね。
え!!?
えええ!!!!??
うそやん!
何を自分だけよろしくやってんのよ。
と。
ほんとコリンズ家の人達はあの後どうなっちゃったんだよ!オイ!ジョニー!!
ていう不満。
が、その1。
まだまだあるぜ!
はい、つぎね。
全体のストーリーの構成。
前半は非常によくまとまっていたと思うテンポや展開もわかりやすかったし。
要約するならば、みんな役者が揃って、稼業を復興させようぜってジョニーが言い出して、家族たちが頑張り始めて、んで小さいながらもとりあえず自分たちの工場をつくり、(稼業は水産業なんだけど)漁師とかとも契約を結び、と
なかなかいいテンポで話が進んでいくわけですね。
で、大きく見たこのデカイ一つのシークエンスは、総合的に見るとまぁ面白いは面白いんだが、
最初に出てきたヴィクトリアが全く、
全く。出てこない。
え?あれ?確かヴィクトリアってヒロイン的ポジションだよね!?最後ジョニーとくっつくよね!?あれ?あの家庭教師どこにいったの?ていうか気になってはいたけど家庭教師ってなに?いつそんなシーンが出るの?え、そんなシーンないよ!家庭教師って設定はなんなの?
とね。
こんな感じで、もしかしたらちゃんとした意味があるのかもしれないけれど
この映画はいかんせん省略の仕方が雑なのがいろんなところで目立つ。
他にもコリンズ家のお父さんが浮気かなんかで家を出て行くエピソードがあるんだけども、まぁ、最後絶対戻ってくんだろうなーと思ってたらそうじゃない!
じゃあ、あのおっさんが家にいた理由は、家を出てった理由はなんなわけ!?ヘーイ!!
それでもまだ第一シークエンスはわかりやすかった方でして。
そしてそれに続くデカイシークエンスの第二シークエンス。
ここからはもう本当に酷い。
まず、第一シークエンスで必死こいて作った皆の工場、これが全く機能を果たしていない!もうほんと全く出てきすらしない!
そしてヴィクトリアに恋をしたジョニーのラブストーリーが突然始まるのよ。
本当一つ一つのエピソードがまとまりのない第二シークエンスを辛うじてまとめていたのが、魔女の存在。
そう、あの200年まえにジョニーをヴァンパイアにする呪いをかけて、今現在も人間に混じって生きているあの魔女ね。
あの魔女が、ジョニーが復活すると知るやいなや、ホンットにすぐ真っ先にやってくるのよ。
で、相変わらずジョニーのこと好きだから誘惑とかするわけ。で、ジョニーはヴィクトリアが好きだから、それを断わるんよ。でも魔女はキスとかしてくるのさ。
するとね、やめろとか言いつつジョニー、抵抗しないんですよ。それどころか魔女が身体の関係を要求してきたら応えるし、それなのに終わったあとはもう二度とこんなことはしないし君のことは好きになれない。とか言うわけですよ。
はぁあああ…
どの口が言うんだよ、ジョニーおい!
それで未だに未練のある魔女はいつまで経っても自分を好きになってくれないジョニーに対して、好きな反面憎しみを抱えていたりもするわけで。
コリンズ家の復興の邪魔とかもしてくるわけで。
んで、物語の最終的にはジョニーと魔女が戦って魔女は負けて死んでしまうんだよね。
でもさ。
ちがくね、なんか。
魔女さ、最後死ぬ時
涙ポロポロこぼしながら死んでいくんだよ。
私とあなたならお互いに化け物通しうまくやっていける。私とあなたなら幸せになれる。って言って生き絶えてくの。その間、ジョニーは呆然と見つめるだけで返事もしてあげない。
この魔女がさ、俺実はこの映画見てて一番好きだったかもしんない。
純粋に愛してたけどずっと報われなくて恨んで憎しんでそしてそのまま死んでしまう。
しかもそれをボロッボロの身体で涙ながらに最後訴えかけてくんだよ
泣くわ!俺が!!
そして何してんだジョニー、お前バカヤロー!!!!
と。
話がたびたび脱線してしまうが、
この魔女のおかげである意味シークエンスにギリギリまとまりがあったのかなー、と。思いました。
他にもねー、
処理しきれてない設定とか謎のキャラとかいっぱいあったんだよね。
ヴァンパイアの日光発火しかり洗脳しかりお父さんの存在しかり。
博士の存在もなんか危ういと感じたし(あれは次回作があるという伏線なんだろうか)、最後の戦闘シーンも酷かったな。
前半と最後の戦闘シーンとのギャップの激しさ。
もはや怪獣大戦争だったかんね。
ヴァンパイアと魔女の戦いと思ってたらいきなり娘(クロエ・グレース)が実はオオカミ人間でしたーとか、最後魔女に止めを刺すのはジョニーじゃなくて女の幽霊とか。もう、わっしょいわっしょいし過ぎだろ。お祭り騒ぎだったじゃん。んであとからとって付けたように、実は~だったのよ。とかドヤ顔で言われても、そんなんもはや後付やんとか思うし。
そう!てか、話がね。
ストーリーが見ててすげー思ったんだけど、話の流れがなんか気持ち悪い。
まず、1をやったから次は2、2をやっちゃったから次は3やんなきゃ。みたいなね、なんて言うんだろう。ある出来事を起こしたので、それによってこういう問題がストーリーに生じちゃうからそれを処理するために次はこういうエピソードを持ってきて、んでそこのエピソードの処理のためにまた次はこういうエピソードを持ってきてー、みたいな。
全体的にストーリーに必然性とか自然性を感じられなかったんだよね。ほとんど、問題処理のために話が進んで行く、的な。言い訳がましく聞こえる映像ばっかり見続けさせられる感じがした。
はい。
ということでねー。
さんざん言ったねー。
長かったねー。
ホントはまだまだ言いたいこともあるけど文章にすんのけっこうめんどくさいんでこんなところでやめます。
総評すると、
ダーク・シャドウ
まぁ、非常に構成とか見せ方、演出かな?が所々で引っかかることが多く、どうしても最後まで共感を持って見るということができなかったです。
多分見終わってどことなく、不満を抱えた人は多くがそこにあるんじゃないかと思う。
というわけでね、
これにてダークシャドウ批評終わり!
最終感想
「見なくて良し!!!!」