批評:アナと雪の女王(前編)

まともに映画批評をしようと考え専用のブログをつくりました。
きちんと文書でまとめるとこまでした方が作品に対して整理がつくかな、とか。
まあ、優等生的な理由は以上にしておいて、毎回各作品をボッコボコに批評するだけですわ。

さて、記念すべき第一回目は巷で有名、というか地球上で有名なアナと雪の女王(以後、アナ雪と略す)。


アナ雪に関しては、色々と物申したいことが多すぎて、初回から前後編に分けるという事態に。
とりあえず前編では私の個人的な感想や批判を言いまくります。
後編については後ほど。


さて。
もうどこもかしこも、レリゴーレリゴーうるせーよ。中にはレディゴーとか間違って歌ってるやつもいるし、なんなのバカなの。これに関してはマジで回数制限とか設けて、一人6回以上歌ったら死刑とかにするべきだと思うよ。いや本気で。

さて、本題本題。
とりあえず冒頭からいきなり気に食わない。あのナレーション的な流れの冒頭ミニ物語ね。とにかくこのアナ雪という作品は製作者側からの気持ちの押し付けが激しい。で且つ、それが下手。それらに感情を乗せることができればアナ雪信者に、それがわからなければアンチに。と言った感じで鑑賞者を真っ二つに分ける作品。

あんだけ世界で売れまくって興行収入がどうたらこうたら、とか言ってるわりに、私の周りは批判派が多いです。ようするに人間、ある程度話題になるとなんとなく自分もそれに乗っかんなきゃってことになるのよね。それが世界規模で起きてるだけで、ストーリーはくそみてえにわかりにくいクソ映画です。
これから見る人は予定を変更して他の作品を見るように。こんなもん金曜ロードショーとかで十分よ。

さて、中々本編の話をできてないけどまず冒頭ね。
一瞬話がズレるけど、ファーストシーンはどう考えてもレ・ミゼラブルの冒頭。おっさんたちがウォイウォイ歌いながら仕事するやつね。音楽にあわせて氷が綺麗に切れていくのはいいのだけど、あれ場所によってはビビるほどグシャリと砕けてて、なになにその世界の氷の硬度ってどういうカンジになってるの?状態。
CGアニメはリアルに近付けたいのかアニメをやりたいのかどっちかにしろっつーとこですな。

で冒頭の、早巻きでお送りされるあらすじシークエンス。これが酷い。
アナ雪は映画を見る前から色んなメディアに取り上げられまくっててどうやら姉妹の愛を描こうとしてるらしいんだが、何としてでも姉妹を離れ離れにさせお涙頂戴の設定にする為に製作者陣が全力で彼女たちを不幸に追いやる。
どっから現れたのか(ディズニーだから普通でしょ?とかだったら腹立つわ)突然なんの脈略もなく魔法を使える姉が出てくる。結局本編通して魔法が使える人間はコイツだけ。市民は始めは魔法に恐怖し驚いてるのにラストには誰一人怖がることなく楽しげに笑いあってる。お前らの世界の中での魔法というものの価値観ってなんなんだよ。え!?
普通なの?異常なの?
そこの設定があやふやなままなのが実に腹立たしい。
原作がどうなってんのか知らんが、俺は読んでねえし知らねえ!そして読めとも言われてねえ!
だから真っ白の状態の視聴者納得させるところから丁寧に描けよ!アホか!
と思うわけですわ。

かと思えばドワーフだかゴブリンだか忘れたけど、いやトロールか、こいつらは当たり前のように現れて平気でファンタジックな世界を盛り立てる。王様は彼らの存在を知ってるようだが一般市民は知らない模様。

魔法は人しれずあるけれど確かに存在するけどめちゃ珍しいよ、
っていうお決まりの設定を都合よくここだけ拝借して鑑賞者に配慮や説明はなし。うん、そうですか。

姉妹を引き離してからは、その状態を何年も継続させるため(なんのためだよ)に用無しになった両親すぐに殺しちゃうのはわりと本気で引きました。
これ前やってたラプンツェルの時からそうなんだけど、なんなの?平気で殺人オッケーにでもなったんですかねディズニーは。人の命軽んじて良くなったんだね。今回のはまさに殺しときゃよくね?っつって殺したでしょ絶対。やってらんねえ。
で、そのまま数年たちましたな。国王も王女も居なくて国を収めることはできない女の子二人しかいない王国が、なんでその後数年も持ったのかが聞きたい。なんで?ねえ、なんで?
まあ、あれよね。妥当に考えるなら誰かが支援してくれたり家臣が支えてくれたりとかでしょうね。うん。
…じゃあそいつらどこ?どこにいるの?いたの?描写あったの?ねえ。

ないでしょ。

どうやってあの国は持ちこたえていたんでしょうね。ふい~。
ほんとに都合良いとこしか描かない。さすがに端折ってもいいでしょ、とは言うなよ。だってダメだろ。

あらすじ終わって物語序盤。
アナ、ハンスと結婚を決意。


じゃないでしょ。

即日決定のラブマシーンてなんなの。
いやまあお姫様ものなんてだいたい感覚で惹かれあってゆくゆく結婚とかはわかるよ、現実にはあり得んだろうがアニメだしお姫様だしわかるよ。
でも即日結婚決定ってなんやねん。欲求不満か。流石にそれは行きすぎなのでは?って長男の俺は思ったよ。
エルサもそう思ったらしいね。そりゃ怒るわ。走って山籠りもしたくなるわ。
アナよ。雪だるまつくーろーとか言って姉好き描写するのは良いけど、なぜそこで姉に配慮できなかったのだ。アナよ。ちょっと常識ないのね。

で、ねーちゃん逃げちゃったから、追いかけるアナなんだけど、そこでまたも、国を収める二人が国から居なくなってしまう。じゃあその間はハンスお願いね、ってなんでやねん。
なぜハンス!!なぜ、ハーーーーンス!!
いや、正確には、なぜハンスをチョイスしたのか、というよりもどちらかと言うと、

なぜ家臣に任せなかったのか

これだろ。
だって戴冠式するまでの数年は(おそらく)家臣たちがキリモリしてきてくれたんでしょ?流石に彼らの描写を端折ったとしても、アナの中に家臣たちに任せようという考えが起こらなかったのは本当に謎。

君は大人になるまで誰の世話になってきたの?
会えもしなかったエルサとしか交流がらなかったの?
え?

まあ、いいよ。
ハンスに任せちゃったもんは仕方が無い。もういいよ。

わがままな姫二人はこれで自国から脱出しました。さっき知り合ったばかりのイケメンに国の全権指揮を任せて。


家臣についてもう一つだけ書いとくと、最後アナが死にましたってハンスに伝えられてがっくしきてた家臣たちは、
その後のシーンで、ハンスを殴るアナを見て大喜び。
オイオイ、君たち。直前までハンス国をおさめて助けて状態だったのに、なんでそこで大喜び!?何に対する大喜び!?ウェーイ!!
ってなんでやねん。

はい。

これ、やっぱ最後まで通して思ったのは、
この姉妹は王女であるという設定が物語全体を通して邪魔をし過ぎてるということ。プリンセスって設定がゆえに、行動や考えがより稚拙に見えてしまう。ほんと、田舎娘の話とかだったら良かったんじゃね?
何もかも、物語の装飾が派手なためにアラが目立つ。


そんでエルサは適当な山に城作って大熱唱。はいはい、レリゴーレリゴー。

その頃アナはと言えば、遅れて現れた本物のヒーロークリストフに会ったり雪だるまんオラフにあったり。クリストフがホント都合良いんだよなー、オラフもだけど。
たまたま、昔エルサアナの事故現場を見てたクリストフが、たまたま、アナに遭遇する。その後一緒に行動するも、死にかけのアナを城に運んだあとは一旦帰宅するのに、道中で異変に気付いて再び引き返す。
あーもう、動きが無駄。なんかこんなに雑だったっけキャラの配置。使うとこだけ使って、あと放置、からの再び必要だから使う、みたいな構図。
オラフはオラフで、ずっと前に作って崩れた雪だるまがなんで今生きてるのかい。

で、どうやらオラフは物語の確信をつく自己犠牲愛を語るらしい。

アナ雪指示派の意見によると、どうやらこの作品はそもそもそんな姉妹愛とかではないらしい。



さて、そこらへんについては後編で記そう。