批評:アナと雪の女王(後編)



前回さんざん言ったアナ雪後編。
というか補足などなど。

一つ訂正で、
前回の前編でオラフはなんで復活したんや問題が、どうやらエルサがレリゴってる時に再生された描写があったらしいです。ちゃんと見てなかったわ。申し訳ありません。


さてさて、前編ではこの物語を姉妹愛、家族愛の物語だと言いました。
ラストの落ちに繋がるこのネタは、氷付けになったアナが、エルサの涙で蘇るというところからくるもの。
今までのプリンセスネタの王道な落ちである「王子様のキス」を封印し、
そもそも愛って異性へのloveだけが意味じゃないんだぜ!と主張する今までは見なかった解釈。
故にメディアはこれを取り上げるに当たってよってたかって姉妹愛!家族愛!新しい落とし方!とやんややんや言うわけです。

まあそこに対しては特にいうことはない。しいて言えば俺は映画見たとき、それが愛の力で復活したんだ、とは解釈できなかった。
え?なに?何が起こったの?状態。
あとで聞いたらアレは愛の力なのよって話。
…あらそうなんですか。


そのシーンに関してはもっとタメがあってもよかった。
あっさりとアナが復活してしまった。
という意見が周りには多いのですが、
とりあえず言えることは

読み取り手が、説得力のある落とし方であると解釈するには物足りなかったのは確かなオチの描写である。

ということ。

さて、ですがね。
ぶっちゃけあれは監督の完全なるスペックオーバーなわけでして、本当に言いたいことが相手に伝わりづらい作品になっている。というのがアナ雪賛派の方の意見です。

これ以後、その興味深い話をしてくれた方の文章のほぼ抜粋になるのですが、これを見ると納得できる点も多いです。以下の文ではラプンツェルも比較例に出しております。

ちなみに皆さんはラプンツェル好きですか??




『アナ雪は一体なんの話だったのか。。。』


「たいていアナ雪があんまりという人はラプンツェルを好むひとなんだけど、ストーリー的な面で行くと、大きな違いは

ラプンツェルの「家族からの愛のない寂しい女の子が結婚相手を見つけることでハッピーエンドになる」と
・「家族からの愛がない(と思いこんでる)寂しい女の子(アナ)が家族からの愛を受ける、家族へ愛を捧げる、ことでハッピーエンド(結婚までいかなかったのでクリストフは無視)」又は「初めから家族に愛を捧げていたのに理解されていなかった女の人(エルサ)が捧げた愛を家族に理解してもらうことでハッピーエンド」

というのがあってだな。
とても極論でいくと自分が生きるために必要な愛が無い場合その隙間を埋めるのが恋、つまり運命の人(true love)であると思っているのがラプンツェル
自分が生きるために必要な愛が無い場合、家族愛でもその隙間を埋められると思ってるのがアナ雪。


英語原文の話をすると、true loveというのは今まで英語の物語ではずっと「運命の人、結婚相手、つまり幸せを保証してくれる人」という意味で使われていた。日本語訳だとチガウんだけど、アメリカは語彙力がないのでtrue loveといえばそういう意味だったのだとか。

だからアナ雪でトロール達が、氷を溶かすにはtrue loveが必要だと聞いて、クリストフのことだと騒いだ。でもオラフが「アナのためなら溶けても良い」と言ったのを聞いて、アナはtrue loveとは自己犠牲を伴うくらいの愛だと理解し、自己犠牲のうえエルサを守り、氷が溶けた。その時溶けたのをみてオラフが「true love」と呟いて、アナがBecause I love you とエルサに言う。


つまり寂しい心を埋める愛=true love=別に異性の結婚相手である必要はないんじゃね=家族愛でもいいやん 


という話なのだそう。
まだ続く↓

正直言うとあれは家族愛というより自己犠牲愛の話だと思う。オラフの溶けてもいいよに作品の全てが反映されてて、家族愛だけの話であればオラフの愛で溶けてもいいし、エルサを大切に思った時点で溶けて然るべきだと思うんだよね。エルサを助けるためにアナが自己犠牲を行うことで溶けたのだから、エルサがずっと自分の幸せよりアナを傷つけないことを優先していたように自己犠牲を行う愛こそtrue loveであるというのが監督達の意図なんじゃないかな。

二人の監督のうちの一人はターザンの監督で、実際に息子を亡くしてるし、ターザンではゴリラの母親が拾った人間の子供を殺された自分のゴリラの子供の変わりに育てるという話であったし、多分監督はそこまで家族愛のつもりはなかったと思う。
それより親が死んだ時でもなお妹を守るために大切な妹に会わないという選択をさせたかったし、それを肯定したかったんじゃないかな。」





以上です。
なるほど、確かにそうなのか!って思うことありますね。

原作読んだしアレは~~な表現なんだよね、
とか言う知ったかぶり野郎より断然説得力ある話だと俺は思いました。


で、最終的にこの作品まとめると


「ちゃんと言いたいことあったようだしそれを表現するクオリティもさながらなのに



わかりづらいわ!!!!!」



ですな。これにつきる。

「伝わりやすさ」

これ大事だよね。

結局ほんとのところはなにが意図されていたのかされていなかったけどメディアに取り上げられてしまったのかは、監督に聞かないとわからないし確実なことは言えないけれど。
まあでも、もちょっとわかりやすいとバカにも楽しめたのかな、って思いますわ。



ハイ!
これにてアナ雪批評終わり!

最終感想

「見なくて良し!!!!」